第一部 第二部 第三部 第四部 終章 後書 絵師 辞典 出口


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自分の執務室で使えない上司、いや、”使えない上司だった”女を”処理”した後、情報室に来ていた。
そこを司令室にして、このVIP運営陣の構造物内の彼の賛同者達に指示を出していた。
今、VIP運営陣の構造物はAAやZENの黒服、そしてavexに従う削除人、運営人達に包囲されていた。
しかも、AAの事など全く考えて居ないコピペによって自我を失う代わりに数を異様に増やされたAA達によって、彼等との数の差は歴然としていた。

(avexめ・・・今まで商業化しても仕えそうに無いと見て放置していたAA達を徹底的にコピペで増やして突撃させてきたな。)

事実、その中にはあきらかに商業化されないだろうと思われていた千葉やネオ麦茶、果てにはグロゆきやピカ厨まで居た。

(だが妙だな、奴等の動きが早すぎる。まだFlash50を始末してから5分も立ってないのに、どうして奴等はもう部隊を展開している?)

大佐がそこまで考えをめぐらせた時、その情報室のモニターに入電が入った。
モニターにどこかで見たことのある顔が映し出される。

大佐「(・ω・)のし・・・・・・ッッ!!!」

大佐が珍しくその表情を温和なものから驚きの物に変えた。
大佐の目の前のモニターに映し出されたのは、Flash50が”行方不明になったから探す”と、VIPの運営陣の指揮権を奪うための大義名分にしていた人物だった。

(・ω・)のし「どうも、オヒサシブリです。Flash50姐さんはちゃんと死んでくれたみたいですネ。」

(・ω・)のしは珍しく表情を変えた大佐の驚きの表情を見て満足げに頷いて続けた。

(・ω・)のし「ワタクシ、現在はFlash50姐さんに代わってVIPの運営権限の全てをavexから任されております。」

そこまで(・ω・)のしが喋った時、大佐は事のからくりを全て理解した。
Flash50はともかく、avexは最初から大佐にはavexに対する忠誠心など欠片も無いことを見抜いていたのだろう。
Flash50は本当にVIPの運営を任されていたのではなく、あえてVIPの運営をかき乱すことを承知でavexはVIPの運営をFlash50に任せ、
大佐が我慢できなくなり造反を起こすことを待っていたのだろう。
そして本当は最初から行方不明になどなっていない(・ω・)のしに指揮させたAA、運営人、削除人、そしてZENの黒服の混成部隊をあらかじめ配置していたのだろう。
VIPを徹底的に潰す口実に、大佐の造反を利用するために。

(俺は罠とも知らずにまんまと決起した間抜けと言うわけか。)

表情だけを穏やかなものに戻し、大佐は静かに奥歯を噛み締めた。

(不甲斐ない・・・。こんな簡単に奴等のVIP潰しに利用されてしまうとは・・・・・・。FOX★に顔向けできんな・・・。)

(・ω・)のし「二ヶ月も我慢するなんて、大佐さん頑張りましたネ。おかげでこっちはすごく暇しちゃいました。」

(・ω・)のしが表情だけはき弱そうに、だが台詞と口調には嘲りと毒を込めて言った。
大佐はこの台詞には内心を隠した温和な、少し困ったような表情で返した。

(しかしFlash50め、コテ時代から統率力の無い奴だとは思っていたが、こんなあからさまな捨て駒にされるとはな。)

大佐はついさっき容赦なく殺したばかりの相手に同情を感じた。

やがて遠まわしな嫌味と一方的な宣戦布告をして(・ω・)のしからの入電は切れた。
(・ω・)のし自身はこの付近には居ないのだろう、自分の身の安全を確保している者独特の上から他人を見下ろすような口調だった。

やがてモニターにこの構造物だけでなくVIPの入り口から入り込んだAAとZENの黒服達がVIPで暴れまわっていることを知らされる。

大佐は自分の失敗にしばらくの間、うな垂れて自分の足元を見ていた。
だが、すぐに顔をあげるとマイクをつかんで、その回線をVIP内全域にあわせた。

大佐の目に、既に後悔の念は無かった。

大佐は腹をくくっていた。
掴んだマイクに向かって即席の演説を始める。
まったく内容については考えて居なかった。
しかし、今まで自分がこのVIPを覗き始めたこと、VIPでコテ達と雑談をしたこと、
その全てを思い出すだけで言葉が自然と大佐の口から出てきた。

いまや、このVIPそのものが、大佐の口を動かしていた。

「VIPを利用するVipper諸君、聞いて欲しい。今、君たちに襲い掛かっているAAや黒服は全てavexの差し金だ。」

VIP全域に大佐の声が響く。
ビーグルの牙から逃れようとするもの。
無抵抗に何もせずに寝転がっているもの。
こんな時でも無気力な雑談を続けているもの。

だが、どんな住人だろうと一様に大佐の声に耳を傾けていた。

「君たちが彼等と戦おうと、VIPから逃げ出そうと、君たちの勝手だ。君たちに戦わなければならない義務はない。
 だが、avexは今回、VIPを完全に2chから抹消する気だ。今avexに抗わなければ君たちのVIPは無くなるだろう。」

そこで大佐の声が一回途切れる。


 

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