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革命王子「すげええええええええええええwwwwwwwwノックすると自動的に首が出てくる魔法の扉だwwwwwww」

両手に刃こぼれだらけの包丁を握った革命王子が大声で笑いながらはしゃぎだした。
たった今、新たに二人分の頚椎を叩き潰しながら肉と血管を裂き、血を吸った包丁はこれ異常ないくらい粘着質な血脂に塗れていた。
刃こぼれと脂で、もう包丁としての役割を果たしそうに無いそれを、はたして包丁と呼べるのかどうかは疑問だが、王子は包丁をしっかりと握り締めて離そうとしなかった。

ピストン「もはや何も言うまい・・・・。というか道はこっちであってるのかよ・・・・。」

革命王子の後ろを追ってきたピストンが、投げやり気味に言った。
ともかく人影を見つけるたびにそれを切り刻もうと、やたらめったら走り回る革命王子について来ていたため、どこへ向かえばいいのか完全に道を見失っていた。
革命王子「かまわねーってwwwこの部屋に居る奴らに聞けばいいんだからwwwww」

全身返り血で真っ赤に染まった王子が言った。
室内の空気が一瞬にして下がった。
室内に居た全員が、背骨を直接氷で冷やされるような肌寒さを感じた。

十分後、談話室の中はまさに”ペンキをぶちまけたような”という表現がぴったり当てはまる血の海と化していた。
革命王子たちは、徹底的に体を細かな肉片に分解されつくした哀れな犠牲者達から得た情報により、自分たちがまったく見当はずれな場所に来てしまったことを知った。

ピストン「なぁ、一人逃がしちまったんじゃねーのか?」

ピストンが指をさした、談話室の奥にある二つ目の扉がいつの間にか開いていた。

革命王子「何言ってんだよwwwどうせ雑魚キャラだろ?www絶対最初に俺が刻んでやったヤツがボスキャラだってwwwww部屋の真ん中に居たしよwwww」

革命王子がわけのわからない理論で返す。

ピストン「しかし、これからどうする?肝心な事聞くの忘れてたんじゃねーか、俺等。」

ピストンは革命王子のわけのわからない理論をあっさり流して問いかける。

革命王子「あ?”妊婦の腹殴ったらどうなるのか”か?」

自分の台詞が無視されたことには全く頓着せず、王子が言った。

ピストン「鯖を通り越して、俺たちが入ってきた入り口の対極の場所にまで来ちまったのはわかったが、どっちが鯖のある方向なんだ?」

ピストンはやはり革命王子の台詞を放置して、談話室の奥の扉と自分たちの入ってきた扉を交互に見比べて言った。

ピストン「おめーが無茶苦茶に走り回るから、俺は自分のたどってきた道なんて覚えてねーぞ。」

革命王子はピストンのその台詞に「うーむ」と目をつぶって腕を組み。考える仕草(真面目に考えているのかどうか怪しいところだが)をする。

革命王子「”せっかくだから俺はこの赤の扉を選ぶぜ!”」

しばらく思案顔をした後、革命王子は何かの台詞を引用するかのように声を張り上げると、さっさと奥の扉へ入っていってしまった。

ピストン「赤い扉なんてねーよ・・・・・・。」

ピストンの声だけが死体だらけの部屋にむなしく響いた。


 

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