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革命王子「うはwwwwwwwwおkwwwwwwwwwwwwww」

革命王子はまともな言葉にすらなっていない笑い声を上げ続けていた。
笑いながらもその右手に握られた包丁を、先ほど自分を襲ってきた警備員達の最後の生き残りに突き刺し続ける。
警備員はすでに絶命しているのだが、それでも執拗に革命王子は包丁を警備員の体に刺し込み続けた。
その姿は癇癪をおこしているようでもあり、ままごとで子供が滅茶苦茶に包丁を振り回しているようでもあった。
無駄の多い大振りな動きで取り付かれたように体中を振りながら子供のように指し続ける。

やがて、最後に残った包丁も革命王子のあまりの扱いに耐えかねてへし折れる。
革命王子はじばらく名残惜しげにそれを眺めていたが、唐突に頭を下げて警備員の死体に顔をうずめるように体勢を低くした。
その頭上を銃剣型削除デバイスの弾丸達が通り過ぎていく。
革命王子が顔を上げて周囲を見回すと、いつの間にか革命王子は警備員達に包囲されていた。
どうやら、追いかけていた警備員が逃げ込んだこの部屋に最初から待機していたらしい。 

「我々が引き金をひく前に照準から逃れるとは・・・・・・・、こちらを向いているようには見えなかったが、我々の銃口の向きと引き金をひくタイミングが見えているのかな?」

この場の班長らしい男がそういった。

「だがどうするね?武器の包丁も無くなったようだが、我々は君がAAをタイプする暇など与える気は無いぞ?」

男がさらに粘着質な声音で続けた。
革命王子はその声に、しばらく首をかしげて、根元から折れた包丁と、自分が馬乗りになっている死体を交互に眺める。
そして「何を言ってんだこいつは?」と馬鹿に仕切った顔で男を眺める。

革命王子「????? 武器ならここに沢山あるんだけど?wwwwww何言ってんだおまえwwwww」

やがて王子が馬鹿にしきった笑いで応じた。
男は革命王子のその台詞に、革命王子の周りを見回すが、折れた包丁以外は何も見当たらない。

――― くだらないハッタリだろうか?
――――― だがこんなハッタリでこの場を切り抜けられると思っているのだろうか?
――――――― 何か策があるのだろうか?

そう思った矢先、革命王子が下に向かって手を伸ばす。

革命王子「ほら、こんなに沢山wwwwwww」

――――自分が馬乗りになっている死体に向かって。

次の瞬間、王子の手がひるがえり、班長らしき男の隣に居た警備員の右目に白いとがったものが突き刺さった。
いったいどれほどの力で投じられたのか、その少し歪曲した白い物は部下の右目に深々と突き刺さり、奥の脳を致命的なまでに破壊した。
班長の男は部下に突き刺さった物の正体を悟るのに数秒間を要した。
部下に突き刺さったのは、無理やり死体の胸のあたりからへし折られた、先のとがった肋骨だった。

「な・・・・・・・・ッ!!!!!!!!」

班長が驚きの声を上げたときには、部下たちの目に、胸に、眉間に、首に、次々と投じられた骨が刺さっていく。
革命王子は自分の下に敷かれた死体の、体中に包丁によって作られた傷口に手を突っ込み、無理やり傷を広げながら適当な骨をへし折り、骨につながる腱や筋肉を引きちぎりながら取り出し、投げ続ける。
半ばからへし折られて先のとがった腕の骨が、胸骨から無理やり外された肋骨が、あっという間に空気を裂く弾丸と化して警備員達を食い散らかしていく。
近くの部下に、ちぎれた腱をぶら下げながら、まだ張り付いた毛細血管などで新鮮なピンク色のままのへし折られた腕の骨が突き刺さるのを見て、班長の男は我に帰った。
急いで革命王子の方向へと削除デバイスを向けるが、革命王子は既に死体の上には居なかった。
全身のあちこちの骨をでたらめにへし折られ、引き抜かれてどこかシュールな形に整形された死体だけがそこに存在感をしめして転がっていた。 

班長の男が急いで革命王子の姿を探して辺りを探ったときには、革命王子はすでにその両手にへし折られて鋭利な先端を見せる骨を握り、警備員達に肉薄してきていた。

(ああ・・・・・・・・なんてこった・・・・・・・・)

警備員達が次々と骨を突き入れられ死んでいく。
班長の男は、数分前にこの部屋に飛び込んできて革命王子に殺された男が、死ぬ直前に感じていた物と同じ感覚を感じていた。
不思議と抵抗する気も、恐怖もわかなかった。 


 

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