扉 第一部 第二部 第三部 第四部 終章 後書 絵師 辞典 出口
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( ^ω^)「・・・・・・・・・・・・・」
僕は目の前で起きた事を理解するのに精一杯だった。
いきなりギコさんの後ろにネコのAAが現れてギコさんを殴りつけた。
頭から血を流したギコさんがひざを尽いてしゃがむ。
ギコ「・・・・・・・・・・・?」
ギコさんは何が起きたかわからないとでもいうように自分の後頭部に手をまわし、その手についた血に目を見開く。
そしてゆっくりと後ろを振り向く。
「「モナー・・・・・・・・ッ」」
ギコさんの後ろに立つAAを見て、ギコさんと僕の横のピストンが言った。
モナーはまったく表情を変えず、笑ったまま新たな酒瓶のAAをタイプすると、それを振りかぶる。
ギコさんは顔に驚愕を貼りつかせて振り返った姿勢のまま、凍ったように動かなかった。
・
―――危ない!!
僕は次の瞬間にはギコさんの顔が血に染まるのを思い描いた。
だが、僕の脳内を駆けたその像はいつまで待っても現実には現れなかった。
いつの間に僕の隣から移動したのか、ピストンが手にした特殊警棒でモナーの持つ酒瓶を叩き割る。
ピストンはそのままギコさんを蹴って押し退け自分も後退、モナーから距離を取る。
ギコ「・・・・すまんな・・・・。助かった。」
ピストン「例を言ってる暇があるんならモナーから目をそらすな。コイツ、気配がぜんぜん無いぞ。」
まるで革命王子だ、いや、それ以上に気配が希薄だ、とピストンが続けた。
ピストン「革命王子の場合は他の気配が全然無くて殺気だけを無駄に垂れ流してやがるが、コイツには殺気も悪意も何も無い。」
そう、そうなのだ。
モナーはこれから人を酒瓶でなぐろうとするその時、まったく気配を発していないのだった。
ギコさんを殴りつけようとしたさっきも、今も。
それ故、いつの間にこの部屋に入ってきたのかわからなかった。
・
僕はモナーを見る。
笑っているその目からは何の意思も感じられない。
ギコ「ブーン、お前は先に行け。」
ギコさんがモナーへ注意をむけつつ、フサギコの死体の懐から鍵を取り出す。
そうだった、確かこの先の扉の鍵はフサギコが持っている、とフサギコ自身も言っていたではないか。
ギコさんはその鍵を僕に向けて放る。
僕はそれを受け取ると、何時だったか似たようなことがあったのを思い出した。
しぃとモララーがビーグルの大群と共に強襲してきた時だ。
( ^ω^)「わかったお」
僕は返事をする時間も惜しいとばかりに急いで扉の鍵を開けて部屋の外へと飛び出す。
その時、モナーが動いた。
僕に向けて新たにタイプされ、出現した酒瓶が投げつけられる。
だが、その酒瓶はギコさんの銃撃によって空中で破壊された。
モナーが酒瓶をなげてできたその隙に、ピストンが特殊警棒を投げつける。
モナーは酒瓶を投げた勢いのままに倒れこんでそれをかわした。
そして、その攻防の間に僕は部屋から出て通路を駆け抜けていく。
急いでサーバーを壊して、みんなの本懐をとげなければ。
僕は肩に担いだ田代砲を強く握った。
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