第一部 第二部 第三部 第四部 終章 後書 絵師 辞典 出口


   4      10 11 12 13 14 15 16

 

そのスレの中には三十人程の名無したちが居た。
突然集団でそのスレに入り込んできた僕たちにも驚かず、彼等は僕たちの方を静かに見つめていた。
僕は嫌な予感がした。

すると、スレの中に居た名無し達の一団から一人の男が出てきた。

(・3・) 「アルェー、ギコさん達、僕のスレにようこそだYO」

奇妙な顔をした顔文字を多用するコテがでてきた。

ギコ「ぼるじょあか・・・・。どうやらこのスレに誘い込まれたらしいな。」

ギコさんが呟いた。

(・3・)「違うYO。ぼるじょあはどこにでも居るからどのスレに逃げ込まれても大丈夫だったYO。」

ぼるじょあと呼ばれたコテがのんびりとした口調で答え、さらに僕たちに近づいてくる。
それに応えるように、騎士が僕たちの中から一歩前に出た。

騎士「あ?てめー誰だよwww一人で俺等の相手するつもりか?ここに居る名無しどもとまとめてかかって来いよ。」

(・3・)「アルェー、ぼるじょあはひとりじゃないYO。」

そのぼるじょあの言葉が終わるか終わらないかのうちに騎士は疾走していた。
ぼるじょあへの接敵と同時に腰から剣を抜き、刀身を見せぬほどの速さの抜き打ちでぼるじょあをたたき切った。
ぼるじょあの体が頭からから竹割りに真っ二つに裂かれた。

あっけなく騎士が勝利を掴んだかと思った瞬間、騎士が後ろに向かって剣を一閃する。
騎士に向かっていた弾丸が真っ二つに割れて地面に落ちた。

(・3・)「アルェー、今ので仕留めたと思ったのに、おかしいYO。」

何時の間にかぼるじょあは騎士の後ろに出現していた。
だが、確かに騎士の前には二つに割られたぼるじょあの死体が転がっている。

騎士「てめーもコピペ厨か?wwwだったらまだ数が少ない今なら、増えたヤツを片っ端から切り伏せればおkなんだな?www」

騎士が不適に笑った。
だが、僕は騎士の前に転がった死体を見て驚いていた。
何時の間にかその二つに割られたぼるじょあの死体は、普通の名無しのそれになっていた。

ギコ「鑑定スレに居たオリジナルじゃなくて共有コテの方か・・・・。」
ギコさんが呟く。

その呟きを聞き逃さなかったのか、ぼるじょあが言った。

(・3・)「ぴんぽーん。ぼるじょあは群体だC、不特定多数で、コテハンじゃないから無限の知識と体力を持ってるんだYO」

ぼるじょあが相変わらずののんびりとした口調で続けた。

(・3・)「言うなればここに居る名無し達全員がぼるじょあなんだYO。さぁ、名前欄に”ぼるじょあ#ぼるじょあ”と入れれば今日からキミもぼるじょあだYO」

ギコ「なるほど、あらかじめここら辺一体のスレにお前等が名無しの状態で潜んでいたわけか。」

(・3・)「そうだYO。」

その一言と共にこのスレにさらに多くの名無し達が入ってきた。
名無し達は僕らを取り囲むと、その円の内側に居る名無し達が一斉にぼるじょあになった。

(・3・)「さて、そろそろ帰りたいC、講釈はここまでにして一気にかたずけるYO」
(・3・)「この数のぼるじょあでかかれば楽勝だよNE」
(・3・)「アルェー、ぼるじょあは群体であって個体でもあるから数えられないYO」
(・3・)「そんなコトはコイツ等ぬっころしてから考えればいいと思うYO」

ぼるじょあ達が一斉に飛びかかろうと重心を低くし、懐から銃のAAを取り出した。
規制銃では無いが、この数に一斉に撃たれればそれなりにダメージを受けるだろう。
僕の体に緊張が走る。



NEXT→

 

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送