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迫り来るビーグル達とそれを迎え撃とうと突撃していくVIP遊撃隊の面々。
その中からしぃが俺に向けて両手に構えた銃から銃弾を発射する。
しぃは2chに着たばかりの頃は荒らしだったというが、その馴れた動きから察するに噂は本当らしい。
だが、しぃの銃口から銃弾が発射される前に、俺はその場から離れている。
しかし、しぃは俺が避ける事をさらに見越して、俺にむけて両手の銃を連射しながら前かがみに特攻してくる。
―――早いッ!
俺が規制銃の狙いを定める暇もなく接敵してくる。
その特攻は防御を捨て、攻撃だけしか考えて居ない、まさに”捨て身”の特攻だった。

しぃの狙いを逸らすため俺も走り始める。
お互いの距離が一瞬にしてゼロになり、お互いの狙いもつけずに前方に放った銃弾がお互いの頬を傷つけて通り過ぎていった。
しぃはそのまま俺の横を通り過ぎていく。
俺は咄嗟に振り向き、今まで速度を出していた分、止まるのに時間がかかるであろうしぃの背中に銃弾を叩き込もうとするが、その前に俺にむけて振り回される白刃を視界の端に捕らえた。
モララーだ。

モララー「残念。遠距離選で君と戦っても僕に勝ち目は無いからね。」

相変わらずの目がまったく変わらない笑いでモララーが言いやがった。
俺は大口径の規制銃でなんとかモララーの包丁による猛攻を防ぐ。
モララーの包丁はどう見ても近接戦闘用なのだが、しぃの特攻によって接近する時間を許してしまったらしい。
俺は歯軋りしながらモララーと距離をとるために後ろに飛ぶ。
だが、後ろに飛んだ瞬間、銃弾が飛んでくる。
しぃだ。
その銃弾をかわしている間に、モララーが左手の指の間に挟まれた三本の包丁を投げる。
一本が俺のわき腹をかすめ、二本は俺の後方に飛んで行き、ビーグルに突き刺さる。
その隙にモララーは再び俺に接近し、右手に構えた包丁で切りかかってくる。
俺は内心モララーとしぃの連携に舌を巻いていた。

距離をとれば今のようにしぃから狙い撃ちにされ、その隙をモララーにつかれる。
モララーと接近戦をしていれば、しぃはモララーに当たる危険を犯してまで撃っては来ない。どうやらサポートに撤する気らしい。
だが、俺は規制銃だけでモララーの包丁を受け止め続けなければならない。
糞が。コイツ等、考えてやがる。

俺の舌打ちを見て、モララーの笑みはさらに深くなる。
その笑みに腹の底で怒りを爆発させながら、俺は冷静にモララーの包丁をさばきつづけた。

ブーン達はうまく逃げられただろうか。





 

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